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我が友、スミス (集英社文庫)

我が友、スミス (集英社文庫)

我が友、スミス (集英社文庫)

作家
石田夏穂
出版社
集英社
発売日
2024-03-19
ISBN
9784087446272
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我が友、スミス (集英社文庫) / 感想・レビュー

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Kanonlicht

芥川賞候補作となった筋トレ小説。比較的地味な会社員女性が、有名トレーナーとの出会いをきっかけにボディ・ビル大会出場をめざす。ただそれには筋肉以外の「美」が求められ…。ボディ・ビルのことは詳しく知らないけど、気の向くままやっていた趣味がこなすべき課題になっていく過程が、主人公のモノローグで丁寧に描かれていて、「わかる!」と膝を打った。女らしさ、ルッキズム、価値観の違いなどいろいろと考えさせられる内容。でも単純に(異色の)スポーツ小説として楽しめた。

2024/03/30

イシカミハサミ

ある程度日常の描写はあるけれど、 ほぼ全編筋トレのムキムキ小説。 解説にもあったけれど、 それでも琴線にかかるフレーズが散らばっている。 全てがイニシャルトークで 「GジムでO島にTシャツ姿のU野が」 みたいな文は頭が痛くなった。 筋肉を愛する人のイメージで 自己愛が強くて他人に興味が薄い、 みたいなものの表現かな、と思うけれど、 だとしたらやっぱり鍛えている友だちは自分にはいらないな。

2024/05/07

もっぱら有隣堂と啓文堂

第166回芥川賞候補作。確かに純文学なんだろうが、自分には筋トレ、ボディビルを題材にとったエンタメとも感じられ。筋トレやろうという気にさせてくれる素晴らしい作品。大会まで出るほど投資するかは別として、究極的には筋トレだって趣味だって推し活だって自分が良ければすべてよし=自己満である(もちろん他人様に迷惑をかけてはいけない)。主人公U野は自分の理想の身体に鍛え上げたいと願っているだけだが、大会では審査基準=女性らしさという評価が入り込んできたのが嫌だったんだよな。ストイックに理想を追っていくU野は素晴らしい

2024/04/26

qoop

ジェンダーという社会性に絡め取られた個人の身体。女性性を削ぎ落とすように身体を鍛え、筋肉を増強し、社会的所与の対象たる自己を超え出ようとあがき続ける主人公は内省的/閉塞的だが、それはしかし、自己防衛の為に肉体を要塞化するという超-積極性の表徴だろう。外見へのこだわり抜きに成立しないため単純な反ルッキズムではなく、女性性を反転させたマスキュリニティの獲得を求めている訳でもない。個としての自己を実現しようとする、孤独な戦いの記録。

2024/04/20

うさぎや

ボディビルなのに、身体で勝負する世界なのに、なぜ女らしさが必要なのか。本当にそう思う。だからこそ主人公がステージ上で最後に取った行動にスカッとさせられる。やりきった!という感じ。

2024/03/24

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