日本のすごい味 土地の記憶を食べる
日本のすごい味 土地の記憶を食べる / 感想・レビュー
よこたん
“わるいもんからええもんはできない。ええもんからしか、ええもんはできない”“真によいもの、あるいは邪心のないものはおのずとひとを引き寄せる。” 食べて欲しいという作り手の思いと、食べたいという人の思いが重なり合って、味は伝承されていく。月鍋(熊肉)の脂身の美しさの奥にある猟師さんの思い、奈良漬や鮒ずしの年月が育てる滋味。ほわっほわ、むにむに、ぷにぷにの「出町ふたば」の豆餅のおいしさのわけ、季節を味わうような中津川の栗きんとん。そして大阪「大寅」の蒲鉾の「はもいた」「練り天ぷら」が紹介されていて嬉しかった。
2018/05/04
ユウユウ
作ること、食べることが生きることにつながっていることを感じさせられる本。高い!と思ってしまうけれど、これだけの作り方されているものなら、しかるべきと思えます。ひれふす熊鍋、誇らしいわさび、むちむちの蒲鉾、味わい豊かな缶詰、幸福なビール、鮮やかなまんまるの柚子、妙薬の梅干し、媚びない奈良漬、文化遺産の鮒寿司、衝撃のチーズ、とにかく甘い黒豚、稀有な菓子、ほわっほわむにむにの豆餅、くちびるをやんわり撫でる五島うどん、強烈な破格のイラブー汁。どれも憧れてしまいます。
2017/11/28
野のこ
職人さんの真剣なまなざし。微笑ましい家族写真。滋賀県熊の解体という貴重な体験。私も以前いただきましたが白く光った脂が宝石のようでうっとりしたのを覚えてます。京都のオイルサーディンは実家でよく登場してました。上品なパッケージにそうそう!懐かしい♬「ごっくん柚子ドリンク」はよく母が飲んでます!今回は私の両親の味と重なりがあって嬉しかったです。「吉田牧場」のチーズの《フレッシュな搾りたての乳の味》はぜひ味わいたい。鹿児島黒豚のキュッて上をむいたお鼻が可愛しかった。「食堂かたつむり」を思い出しました。
2017/11/24
ユメ
「日本のすごい味」取材記、西日本編も、食を生み出す人々の真摯さにひたすら頭が下がる思いだった。「森奈良漬店」の創業者は「声なくして人を呼ぶ」という言葉を残した。「本当にいいものを作っていれば必ず売れる」という言い回しをよく耳にするが、それが現実となるには、「本当にいいもの」を作るのに想像を絶する手間暇が必要なのだ。「まるとうわさび」の飯田さんはこう言う。「もう命がけでわさびを育てています」命をかけて命と対峙するような誠実な仕事をしているからこそ「すごい味」が生まれ、その味は土地の歴史、風土、文化を物語る。
2017/12/17
たまきら
うわあ、こりゃたしかにすごい味だ!知っているものから当然初耳のものまでワクワクする味が紹介されています。平松さんの文章はもともと好きですが、心温まる感謝の言葉ににっこりしました。かっこいい人たちがたくさんいる!私も頑張らなきゃなあ。
2020/12/02
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- 出版社
- 光村図書出版
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383