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嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA)

嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA)

嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA)

作家
小川哲
出版社
早川書房
発売日
2022-07-06
ISBN
9784150315276
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嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA) / 感想・レビュー

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KAZOO

小川さんの4冊目の本です。短編集で6つの作品が収められていて、「ゲームの王国」よりもはるかに楽しめました。最初の「魔術師」「ひとすじの光」「嘘と正典」が特に印象に残りました。「魔術師」はとくに魔術師とその娘の物語で現実では解決しないようなところもあったりしてそれがSF的なのと文章の扱い方がうまい感じが残りました。「ひとすじの光」は父親の残した馬の話から競馬の歴史のような感じです。表題作はこれこそSFといった感じでマルクスやエンゲルスが出てきます。楽しめました。

2023/10/23

ひさか

SFマガジン2018年4月号魔術師、6月号ひとすじの光、12月号時の扉、2019年6月号ムジカ・ムンダーナ、Pen2017年11月最後の不良、書き下ろし嘘と正典、の6つの短編を2019年9月早川書房刊。2022年7月ハヤカワJA文庫化。魔術師で語られる、トリックかタイムマシンかという二者択一の真相に迫る展開が秀逸。嘘と正典に出てくる時空間通信にまつわる世界構築のアイデアと展開が楽しい。

2023/01/27

stobe1904

【小川哲短編集】過去と現在の時空をテーマとした短編6篇から構成されている。テイストはSFやミステリなど特定のジャンルにとらわれずバラエティに富んでいるが、全体を通じて感じたことは先が読めない抜群に面白い小説だということだった。冷戦時代のエスピオナージ風の表題作『嘘と正典』が秀逸。これは直木賞受賞作の『地図と拳』も読まねばと再認識。★★★★★

2023/12/27

Kanonlicht

SF作家と位置付けられながらも、ジャンルに縛られない著者の作風は、この短編集でも健在。あえて共通するテーマを探すなら、不可逆的な過去(常識では当然なのだけど、SFにおいてその前提は覆されがち)、父と子、人生を捧げる、といったところ。世界の歴史上の転換点を舞台にマジックリアリズムが展開される表題作は、前作『ゲームの王国』を彷彿させる著者の真骨頂。受賞は逃したけど、直木賞候補に推されたのも納得

2022/07/12

NAO

「繋げていく」をテーマとした過去と現在が錯綜した不思議な印象の六つの話。強力な力を持つ人物や主義が出現したとき、それは偶然の出来事なのか必然なのかについて考える、表題作「嘘と正典」と「時の扉」。「魔術師」は、父親の言動にからめとられてしまった姉弟の話で、突き放したようなラストがなんともいえない。「ひとすじの光」「ムジカ・ムンダーナ」は、テーマは同じでも、上記の3作品とは異なる優しい話。

2022/08/16

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