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地図と拳

地図と拳

地図と拳

作家
小川哲
出版社
集英社
発売日
2022-06-24
ISBN
9784087718010
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第168回直木賞受賞作、決定間近! 直木賞ノミネート5作品を一挙におさらい

 2023年1月19日、第168回芥川賞と直木賞の受賞作が決定する。直木賞では雫井脩介氏・凪良ゆう氏の2人が初のノミネートとなったが、一体今回はどの作家のどんな作品がこの栄えある賞を受賞するのだろうか。受賞作決定前に、ノミネート作を一挙におさらいするとしよう。

2023/1/19

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山田風太郎賞受賞! 日露戦争から太平洋戦争まで、満洲の架空都市を舞台に日本SF界の新星が描いた『地図と拳』――その構想は?

 先ごろ第13回山田風太郎賞を受賞した『地図と拳』(集英社)は、日露戦争から太平洋戦争までの日本の灰色の時代を通して、満洲にある架空都市〈仙桃城(シエンタオチョン)〉にひき寄せられた人々によって紡がれる歴史大河小説だ。

 著者・小川哲さんはSF小説『ユートロニカのこちら側』(早川書房)でデビュー後、長編『ゲームの王国』(同)で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞し、『嘘と正典』(同)では第162回直木三十五賞候補と最も注目される作家の一人。

 雑誌『小説すばる』での連載開始から休載を挟み4年の歳月をかけて刊行された『地図と拳』(集英社)について小川哲さんに話を聞いた。

(インタビュー・構成・撮影=すずきたけし)

――『地図と拳』は日露戦争前夜から太平洋戦争終戦までの中国大陸の満洲を舞台にした小説ですが、満洲という地を題材にした理由はなんだったのでしょうか?

小川哲氏(以下、小川) 満洲を小説にしようと思ったきっかけは、担当編集者から提案があったからですね。大同都邑(とゆう)計画という実際にあった満洲の都市計画がありまして、実現しなかったもの…

2022/10/26

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地図と拳 / 感想・レビュー

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W-G

「知略と殺戮」とか帯に書いてあったし、もっとバイオレンスな作品を想像していた。実際はベクトルが異なり、長大な年月を、様々な人物の視点で通過しながら、構成に頼らず、人物の描写や、示唆や暗喩に富んだ会話で引っ張る、まさに"小説"といった群像劇。一歩間違えば、歴史を駆け足でなぞっただけになりかねない、扱いの難しいカテゴリーに属するものに、著者の熱量と膨大な資料で幅と厚みを出した。読むほど味が出るスルメ本の香りはするけれど、今の基準で照らすと、そこまで凄惨さや毒気はなく、人によっては刺激不足で平坦に感じるかも。

2023/02/06

starbro

第168回直木賞候補作、4作目(4/5)、直木賞発表前に何とか読めました。小川 哲、3作目です。満州国の歴史小説と言うと故船戸与一の大作『満州国演義』を思いだしますが、それとは全く異なりました。歴史小説という雰囲気ではなく、軍事構造学&都市工学空想小説という不思議な作品でした。私は未読の時点で周囲の評判から本命に推しましたが、マニアックな作品なので、本命は、『汝、星のごとく』に変更します。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/chizutokobushi/

2023/01/18

パトラッシュ

狭い4つの島で閉塞して暮らすより、満洲という巨大な白地図に意のままに絵を描く。そんな夢とロマンに憧れて大陸へ渡った多くの日本人が出会いと別れを繰り返し、各章で物語と対峙することで重層的な群像小説として展開する。そこに出てくるのは男ばかりであり、誰もが手段を選ばず絶世の美女である満洲を手に入れようとする。いわば魔性の女に惚れ込んだ男が暴力的に奪い取ろうとした挙句、手ひどく振られるまでを描く恋愛小説とも読める。女に溺れる男はバカなのは永遠の真理だが、大日本帝国を滅ぼした文字通り傾国の美女だったのは間違いない。

2023/03/16

Kanonlicht

日露戦争前から第二次大戦後にかけての半世紀、満州のある都市を舞台に、さまざまな人生が交錯する。登場人物たちは、非凡な才能を持ちつつも、歴史の中では表舞台に立つことがなかった名もなき一市民。あえてそれぞれの人生を描ききらないところに、あくまでも人物は歴史や国家、都市にとって一つの構成要素にすぎないという著者の考えがみえる。戦争という大きなうねりの中では、実際にこうした数々の濃密な人間ドラマが存在していたのだということに気付かせてくれる。

2023/02/04

まちゃ

登場人物の多さ、時間軸とも壮大な物語でした。600頁超の分量に怯みそうになりましたが、歴史と空想を織り交ぜたストーリーに惹き込まれて読了。読み応えありました。日露戦争前の1899年から第二次世界大戦後の1955年までの半世紀に渡る中国東北部(満州)の覇権を巡る攻防を描いた物語。舞台は、奉天の東にある〈李家鎮〉と呼ばれた仮空の都市。国家とはすなわち地図であり、拳とは地図を書き換えるための国家紛争・戦争。

2023/02/19

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