憶 藤沢周連作短編集
憶 藤沢周連作短編集 / 感想・レビュー
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1P17行。2024年刊。連作短編集。webで連載されていたことは知っていたが、春陽堂書店から単行本が出ることに「おぉ!!」と注目。新潟市西区の内野(うちの)町と新川(しんかわ)という川、とてもよく知っている。現在の存在と過去の存在、記憶の片隅から甦る仄暗い思い出。わたしは著者と年齢が近いわけではないが、昔の漁師町、内野や新川ならさもありなんと、想像で当時の風景をアタマに思い浮かべていた。藤沢周の連作短編集はどれも味わい深く、今作も一気に読んでしまい、またまた興奮醒めやらぬ状態となった。
2024/02/28
平坂裕子
誰もが心の奥に残っているそれぞれの記憶は、時に優しく時に残酷な想いを抱かせる。記憶に残る風景がとても鮮明に、切ないほど懐かしく、自分の中の記憶も思い出しながら、なんだかうっとりと読み終えた。
2024/04/10
Nick Carraway
63歳の老人(「初老」と何度も書いてあるが、どうも違和感がある)が鎌倉に住みながら、故郷の新潟市内野に実際に出向いたり、また記憶の中の内野の風景に記憶を飛ばしたりして紡ぐ幻想的な短編群。新川や内野の神社、五十嵐浜などの風景が私にも生々しい。新潟弁も。とりわけ、新川を流れていくものへの追想を描く「抱き水」、嫌いな教師への反抗とその教師の死を描く「鷺」などの作品が味わい深かった。文章の香気に、藤沢周の熟練の手腕を感じ、十分に味わうことができた。
2024/03/27
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- ISBN
- 9784813804383