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楊逸

職業・肩書き
作家
ふりがな
やん・いー

「楊逸」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

遠い向こうの彼らを知るために

遠い向こうの彼らを知るために

ここ数日、わたしたちはたくさんの中国人をテレビで見てきた。デモをしている人たちを見た。叫び声をあげる人たちも見た。店のガラスを割り、建物を叩き壊す人たちも見た。だけど、驚くことがある。わたしたちはその中の誰一人として、名前すら知らないのだ。彼らが普段どのような生活をし、どんな本を読み、どんな過去を経ているのか、一人だって知りはしない。ただ、中国人たちのデモを目撃し、たくさんの議論が飛び交っただけ。遠い遠い場所で、物事は勝手にすすんでいく。

この、なにか歯がゆい感覚と共に楊逸の『時が滲む朝』を読む。そして、こう書かれている。「学生さんよ、文学か何かわからんけど、若さだけで血が騒いでいるんじゃないか」この物語もデモ活動に参加した若者たちの物語だ。ただし、時代が違う。彼らがデモを起こしたのは1989年、天安門事件のころだ。

秦漢大学に入学した梁浩遠と謝志強は、文学を志して勉強に励むうち、甘先生の思想に影響され、中国の民主化運動に関わっていくようになる。 「五・四運動以来、中国の革命にはいつも我々大学生と知識人が先駆けとなっている。国を救うのは我々しかいない…

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