晴れときどき涙雨 高田 郁のできるまで
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晴れときどき涙雨 高田 郁のできるまで / 感想・レビュー
hiro
作家の皆さんのエッセイを読むのが好きだ。作家としてデビューするまでと、作家としての日常を知ると、小説を読んでも感じることができない親近感を感じれるようになる。このエッセイを読んでみて、これほど作者の人となりがよく分かるエッセイも少ないのではないかと思った。高田作品の人情話は、このような人だから書けるのだと、あらためて納得した。そして、高田さんの小説によく出てくる火事や味覚を失うなどの主人公たちの試練は、実体験である阪神淡路大震災、交通事故、目の病気などの高田さん自身の試練と、重なって見えてきた。
2012/10/20
ハイランド
筆者が「八朔の雪」を世に出す前後に書かれたエッセイ。「みをつくし料理帖」のように氏に降りかかる様々な事件事故、出会い。静かなる波瀾万丈。料理人澪がどうして生まれたのか、その秘密に少し触れられたような気がする。誠実という言葉の重み。思わぬ出来事に対する氏の真摯な態度、暖かい眼差しが道を切り開く力となったのだろう。全力を尽くし、それでも夢が叶わなかったとしても、それでその人の人生が終わるわけでも、人生そのものが失敗と決まったわけでもないということを思い知らされた良作。読書メーター登録百冊目がこの本で良かった。
2015/05/31
文庫フリーク@灯れ松明の火
『実るほど頭の下がる稲穂かな』読了して浮かんだのはこの言葉。今や大人気作家でありながら、実直で謙虚なお人柄。中一で受けたいじめ体験、司法試験での挫折、父親の死、勤務先の倒産、阪神淡路大震災、交通事故とその後遺症、両眼の網膜に立て続けに開いた孔。タイトルこそ『ときどき雨』ですが、どれだけの涙を流して来られたのでしょう。暗いどろどろとした想いに駆られた日もあったでしょう。こんな実体験を持ち、なお感謝の念を忘れない。この人柄ゆえに、高田さんを育てよう、後押ししようとするたくさんの方々方が居て『みをつくし』→続く
2012/11/03
しゅわ
【図書館】「みをつくし料理帖」を待つ合間、高田さんはどんな方なのか?知りたくて手にとってみました。あとがきや解説などから伺えていた以上に「丁寧」な方なんだなぁ~とあらためて感心。震災やお父様のこと、交通事故など哀しい出来事を後ろ向きにとらえず、きちんと人生の「糧」にしているところは見習いたいです。ちょっとした親切や苦言等もきちんと受け取っている様子が素敵。実際、私が同じ立場だったら不平不満ばかり言ったり、親切を見過ごしたりしてしまうかも!?これからも高田さんのつむぐ「易しい表現」の物語を楽しみにしたいです
2012/11/04
修一朗
みをつくし料理帖で紡ぎ出されるあったかい文章は、作者の実体験と人柄をそのまんま映し出したものだったのですね。作家と作品は別物というのももちろんありだけど、作者の人となり通りの文章ってのも素敵。高田郁さん決して順風満帆な人生ではなかった。挫折もしたし不器用だけど一生懸命に生きてきた。「できることを数えて喜べる人間になりましょう」私のような身になると、この言葉が身に沁みる。思い切り本が読める生活を喜ばなくてどうする…その通り。たくさんのエッセイからあえてマイチョイス①幸せになろう②姫君の日々③ながいあとがき
2014/08/03
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- 出版社
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- ISBN
- 9784813804383