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仁淀川 (新潮文庫)

仁淀川 (新潮文庫)

仁淀川 (新潮文庫)

作家
宮尾登美子
出版社
新潮社
発売日
2003-08-28
ISBN
9784101293172
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仁淀川 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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バニラ @

宮尾登美子、自伝的小説。敗戦後、主人公、綾子が夫と娘と共に故郷である高知県に帰郷その後の生活が書かれている。満州の過酷な生活、水に苦労していた。故郷の山河と仁淀川の水の音を聞いて深く安堵した様子、その後の夫の生家での過酷な農家の暮らし、厳しい姑との心の通わない暮らし、寂しさを埋めるために育ての母の元へ出かけ優しさに包まれ甘え、やがて両親も亡くなり、寂しさと共に戒めからの解放で自由を手にし書くことによる自立に向けた一歩を踏み出す。女として母としてひとりの人間としての指針を教えてもらえた気がする。

2018/11/22

まあちゃん

連作「櫂」「春燈」「朱夏」の最後「仁淀川」をついに読了。ほんと、なんて素敵な作家さんだろう。前のめりで読み進んだ。私小説。満洲から乞食さながら戻った後は、夫の実家のある農村の因習に苦しめられる。母の喜和と父岩伍との死別。その後離婚、再婚、借金、夜逃げなど簡単に後の様子が語られる。喜和が岩伍と離婚後、病弱を吹っ飛ばしうどん屋を繁盛させたのには驚いた。喜和の綾子への深い深い愛情に、櫂から始まる一連の作品で一番胸打たれた。

2015/11/11

カザリ

だらだらして読みずらい、と思いつつ、喜和との別れのシーンは泣けた。ストーリーというより、感情を丁寧に描ていていて感動する。もうそれだけで、いい。実は、映画で櫂を見て、そういえば宮尾作品読むか程度の知識しかなく、今日本棚で母の蔵書にこれがあり、めくったら、綾子が主人公でかなり驚いた。すごく、うれしくて、綾子!ここのおったんか!と感動して一気読み。なんというか、すごくよく知っている人間という気にさせられる人物を造形するのが本当にすごい。喜和に会いに、これから櫂を読みます。

2016/07/02

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

宮尾登美子氏自身がモデルの小説。満州から赤ん坊の娘と夫と3人で命からがら逃げてきて、高知の農村の夫の実家に帰り着いたところから始まる。懐が深く、言葉は多くなくもくもくと働く姑と、全盲の夫の祖父との5人暮らし。善良で意地悪ではないが、農村の仕事と近所付き合いに固執する姑と、これまた働き者で嫌な性格ではないが、凡庸すぎる夫。主人公綾子は、肺病にもなり疲れ果てていき、このまま死ぬまでこの生活か、と恐れ怯え不幸せになって行く。周囲の人々が皆善人な中、生きる意味を求める綾子のもがきが痛々しい。よい作品。

2018/08/04

桜田もよ

宮尾登美子の自伝的小説。綾子シリーズの最終章。「朱夏」の満州引き上げ後からの物語。カラカラに乾いた満州から命からがら日本に戻ってきた綾子一家。「これからは一所懸命に働いてお金を貯めるぞ!」と意気込む綾子だけど元来の飽きっぽさから次々に仕事を始めては辞め、始めては辞め。このいいかげんさがやけに身近で愛おしい。そう、このシリーズの綾子、全然かっこつけてない。ものすごくみっともない。周りの優しさだけでギリギリ生きているような人。だが、そこがいい。立派な人だけが生きてる世の中じゃないんだなって妙に自信がつく本。

2017/03/09

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