KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

陽暉楼 (文春文庫 み 2-7)

陽暉楼 (文春文庫 み 2-7)

陽暉楼 (文春文庫 み 2-7)

作家
宮尾登美子
出版社
文藝春秋
発売日
1998-03-10
ISBN
9784167287078
amazonで購入する

陽暉楼 (文春文庫 み 2-7) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

高知の芸妓房子の話。多分宮尾氏の生家ではないかと思われる陽暉楼という遊び場(としか言えない)の様子を書きつつ、房子の薄幸な障害が描いてある。房子は超一流の踊り手でありながら、売春もしなくてはいけない。売れっ子芸妓でも借金がどんどん膨らむ恐ろしいシステム。脅したり恩を着せたりして稼ぐに稼がせる置屋主。売った娘をかたにさらに借金を重ねる親。宮尾登美子氏のリアルでつぶさに書いた日常は本当に恐ろしかった。

2016/05/13

エドワード

房子は貧しい生家の魚屋を助けるため、子方屋(置屋)浜むらの芸妓となり、西日本一を誇る土佐の陽暉楼一の踊りの名手、桃若に成長する。宮尾登美子さんの筆は微に入り細にわたり、花柳界の女たちの生活の隅々まで描き出す。助け合い、競い合う女たちのたくましさ。房子は銀行員の佐賀野井に秘かに恋をし、彼の子を宿したことから、絢爛たる日々が急変する。房子抜きで落籍の交渉に奔走する経営者たちの強欲、佐賀野井からは認知を断られ、病を患い、朽ち果てていく房子。読むのに骨の折れる、流れる文章に世話物の面影を見る。映画は別物だった。

2018/03/16

けいこ

戦前の芸妓の生活が伺えました。芸妓は親から子方屋に売られた女達で、借金のため売春もさせられる芸妓もいた。借金が無くて、純粋に芸を磨く人達もいたのだろうけど、男性社会というのか、何で戦前の日本は性に寛大だったのだろう。現代の日本では、売春や人身売買が法律上禁止で良かったです。

2018/06/16

sunafukinT

★★★ 読んでて辛いわ!▼淡々と描かれてなければ最後まで読めない。まるでこれが普通でしたーって感じで淡々と描かれてます。現代の設定もって比喩とか使って悲しくしたファンタジーより数倍きつい▼何が辛いって自分が選択できないことが辛い。。貧しい生家を助けるために芸妓として売られ、売春させられ、子を宿したのは良いが、、捨てられ、最後は病で死んでいく。。

2019/05/14

Ayako

哀しい哀しい物語。 真面目で不器用で、一途すぎるが故の悲劇。 もう少し狡く生きてもいいのに、と房子の不器用さに歯痒さを感じながらも、何とか幸せになって欲しいと祈るような気持ちで読んだ。 房子亡き後、政子からもらったあの三千円が弘のために使われたことを願うばかり。

2015/10/12

感想・レビューをもっと見る