猫はわかっている (文春文庫 む 13-52)
「猫はわかっている (文春文庫 む 13-52)」のおすすめレビュー
村山由佳、有栖川有栖ら7人が描く「猫」小説アンソロジー。種族の異なる生きもの同士の交流を描いた物語
『猫はわかっている(文春文庫)』(文藝春秋)
現在私は、山奥の古い一軒家を借りて暮らしている。聞こえるのは鳥と虫の声のみ。だが、そこに時々「にゃあ」という声が混じる。そう、猫である。この家に越してきて間もない頃から、黒と白のハチワレ猫が連日我が家を訪れるようになった。警戒心が強い子なので、おそらく外飼いではなく野良猫だろう。ただ、ふらりとやってきては縁側でくつろいで帰っていく。猫好きの私は、そのふかふかした背中をこっそり眺めてはニヤニヤしている。
そんな私が近頃思わず手を伸ばしてしまうのは、猫の小説アンソロジー『猫はわかっている(文春文庫)』(文藝春秋)だ。本書は、猫にまつわるさまざまな物語が楽しめる。余命幾ばくもない猫を引き取った雑誌編集者、各家をわたり歩く野良猫のように複数の名前を持つ女性、妊娠を機に猫アレルギーになった姉から猫を預けられる妹など、味わいがまったく異なる短編小説が7話収録されている。著者は人気作家として名高い、村山由佳氏、有栖川有栖氏、阿部智里氏、長岡弘樹氏、カツセマサヒコ氏、嶋津輝氏、望月麻衣氏の7名である。
本書の中に、現…
2023/10/24
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まとめ記事の目次 ●神と黒蟹県 ●猫はわかっている ●わたしに会いたい ●君に選ばれたい人生だった ●夜を走る トラブル短編集
●神と黒蟹県
『神と黒蟹県』(絲山秋子/文藝春秋)
故郷を思い出したり、故郷に帰ったりする人も多いことだろう。『神と黒蟹県』(文藝春秋)は、絲山秋子の連作短編小説である。地方都市「黒蟹県」に異動してきた女性、三ヶ月凡の登場から物語は始まる。黒蟹県は、異動を知った同僚から「黒蟹県とはまた、微妙ですね」と言われてしまうほど地味で、特に際立った特徴のない土地柄である。彼らと入れ替わりに出てくるのが、タイトルにもある「神」である。物語が進むにつれ、登場人物たちが繋がっていく。彼らの生活を刻んだ温かい連作だ。
●猫はわかっている
『猫はわかっている』(文藝春秋)
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2024/1/2
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猫はわかっている (文春文庫 む 13-52) / 感想・レビュー
mae.dat
7名の作家さんに依るアンソロジー短篇集。ねこを主役又は主役級に据えたお話も愉しいです。でも『50万の猫と7センチ』読みながら、ありのままの姿を描いた、気儘な感じのエッセイが好きなんだなぁと、改めて思いました。智里さんの目を通じて描かれるねこの表情、仕草もかわええですが、それを見守る人々の視線や相好を崩す表情や傾向する姿も見てとれる様なんですよね。と思いながらニマニマ読んでいたら痛々しい事件が。(ご賢母様が仰る通り)もっとねこねこエッセイを書くが宜しいかと存じますよ。望月さんの『幸せなシモベ』も好かったな。
2023/03/16
みかん🍊
猫の7人の作家さんによるアンソロジー猫好き作家さん達なのでよく分かってらっしゃる、ほのぼのした作品も多かったが、長岡さんはやっぱり苦手だった、夫婦共好きになれず、猫のように父親が違う双子ってあるのかな、「50万の猫と7センチ」「幸せなシモベ」が好きだった。
2021/11/18
里愛乍
猫が居る。猫が絡む、猫が中心、猫は知っている、猫の下僕。7人の作家さんから成る猫のアンソロジー。有栖川先生と望月先生は猫さん飼ってるの知ってるし、いつも愛を述べてらっしゃるけど、他の作家さんもそうなのかな。そこはかとない愛を感じます。微笑ましかったりブラックだったり、それぞれテイストが違うので楽しく読めました。
2022/02/22
ひさか
オール讀物2021年5月号特集「猫が見ていた」から、村山由佳:世界を取り戻す、有栖川有栖:江神シリーズ女か猫か、長岡弘樹:双胎の爪、阿部智里:50万の猫と7センチ、嶋津輝:猫とビデオテープ、カツセマサヒコ:名前がありすぎる、望月麻衣:猫の王子様と幸せな侍従、の7つの短編を2021年10月文春文庫から刊行。村山さんの、猫が一度だけ人の言葉を喋るという話が面白い。安倍さんの猫をめぐるコメディや望月さんの猫に寄せるストレートな思いの話は、楽しい。長岡さんは、後味の悪いお話でインパクトありました。
2022/01/21
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/11/post-e7646c.html 有栖川有栖さんのものは、何と学生アリスでした。
2022/11/08
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