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骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫)

骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫)

骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫)

作家
野坂昭如
出版社
岩波書店
発売日
2008-01-16
ISBN
9784006021177
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骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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YM

全くおすすめしないけど、個人的にはベスト級。この作品に出会わせてくれた澁澤先生に感謝。骨餓身峠死人葛(ほねがみとうげほとけかずら)、炭鉱という暗くて閉ざされた世界で、死人を養分にして白くて美しい花を咲かせる死人葛にまどわされた、たかをという女性を中心に、想像を絶するような、ありとあらゆる性と暴力が、圧倒的な筆力でこれでもかと描かれる。これはホラーでも、ただのエログロでもない、リアルなんだ。生きるためのセックスと死は、たかをを輝かせる、すでに死人葛そのものであった。

2015/01/18

shizuka

野坂氏追悼第2弾。エロもありグロもあり、けれど品もあり。焼け跡派だからこその物語7編。『同行二人』『当世ますらお団』がことのほか面白かった。駆け落ちした息子と娘が月夜の浜辺で抱き合い、風邪をひくのではなかろうかと心配する息子の母親に対して、娘の母親が「ひくもんかいな。好いた同士やのに」とつぶやくところに、野坂さんの美学を感じた。その言葉で、いままで娘を憎んでいた息子の母親がすっと納得するのも優しい。『当世〜』男からしたら女ってそうなんだろうなと思わず頷く。いいオチ。どうしてこうも惹かれるんだろ、野坂さん。

2015/12/15

三平

焼跡闇市派と自らを称した著者が乾いた視点で描く短編集。全体的に生々しい人間模様が語られているが、どこか人間・社会に対しての虚しさが作品の芯にあるように感じられた。 表題作は死人葛に寄生された炭鉱町の末路を描く、ある意味ホラー。屍の上に「生」の花を咲かせる人間の業。エログロだけど不思議に惹かれてやまない作品だった。正直しんどい作品が多かったが「同行二人」が清涼剤。暗い中を歩いてきたからこそ分かる小さな光にちょっとしんみりさせられた。本当の幸せって見失いがちなのかも。

2016/04/29

HERO

野坂氏といえばエログロ文体で知られているが、「同行二人」なんかは読後感が爽快で「あぁ、こんな表現は美しいなぁ」とホゥ…としてしまう。「骨餓身峠死人葛」の怖さは凄まじい。近親相姦、閉塞感漂う集落の阿鼻叫喚…。「あれどこかで読んだ事あるなぁ」と思ったら、手塚治虫の「奇子」に似てる。最後の卒塔婆には目を背けてしまう。やっぱり、野坂氏は渋い。

2015/12/20

勝浩1958

「骨餓身峠死人葛」には痺れてしまいました。近親相姦の妖しく物悲しくも何とも言えず切ない。「マイ・ミックスチュア」は女の性が衝撃的な結末を迎えます。多くの作品の底流には弱者への優しいまなざしがしっかりとあり、弱者である子供や女性や老人がもっとも犠牲になった戦争を憎悪し、反戦を正々堂々と謳う、そこが私が野坂氏を敬愛する所以であります。エロ・グロ、ナンセンスは表の顔、本当はシャイで優しいオジサンなのです。

2016/09/04

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