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真夜中のマリア (新潮文庫 草 112B)

真夜中のマリア (新潮文庫 草 112B)

真夜中のマリア (新潮文庫 草 112B)

作家
野坂昭如
出版社
新潮社
発売日
1971-06-01
ISBN
9784101112022
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真夜中のマリア (新潮文庫 草 112B) / 感想・レビュー

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メタボン

☆☆☆☆ 17歳の少年の性の遍歴。出てくる女たちは皆淫乱。世相を反映したパロディの側面もあり、単なるポルノ小説ではない。最後は義母の胎内へと戻っていく。

2022/02/23

kochi

某一箱古本市のときの共同出店者持参の品で、売れ残ったのにもかかわらず、他の出店者さんの関心が高かったので読んでみる。身の丈六尺の示現流の使い手であるも、資産家の息子ゆえ何もせずに遊んでばかりいるカンを主人公にした野坂流ヰタ・セクスアリス。野坂昭如ってこんなに文章がうまかったのか!と変な所に感心。宇野亜喜良さんの絵が内容によくマッチしていると言えばしている。と言うことで、お子ちゃまには勧められないオトナのおとぎ話。早速、某「本と酒」の店主さんに進呈したいとf^_^;

2014/12/08

ザフー

サイケデリックな酩酊に仄暗さのある豊かな文章の想像力がいい。横尾忠則というか丸尾末広というか、エログロポップな絵的文体、エロスの毒気冴えるこの世界観は嫌いでない。実はこれ、町田康が講義で影響を挙げてた一冊(書籍版ではカットされてたが)。2つほど読んだ野坂の小作には記憶・出生、涅槃退行的な物語のベクトルがある。それに抗ってというか、言葉のきらめきが面白い。解説・金井美恵子のいう〈語り〉にも同感。金井は深沢七郎『楢山節考』、カフカ『流刑地にて』と連想をつなぐ。しかし正直、小説に堪え性がなく道半ば。また捲ろう。

2022/11/28

三柴ゆよし

どう控えめにみても頭湧いてる人たちによる、ノンストップセックス祭り開催中。主人公はカン、すなわち<姦>で、身丈八尺の美丈夫、示現流の使い手にして、生まれながらのセレブ。親父、息子にオナニー哲学を語るインポテンツ。祖母、古今東西の性の知識に精通した色キチグランマ。義母、親父の五人目の妻にして家ではビキニ姿のやはり色キチ。親友、ゆりかごから墓場まで、女性器の一生をテーマに、永遠の名作の完成を目論む未来のアカデミー監督。その他の登場人物、全員狂人。こいつらがいろいろセックスしたりされたりするだけの小説。

2011/12/14

桜もち 太郎

あらゆる性体験をする主人公の少年カン。どんな経験をしても満足を得ることができない。行く付く果ては義母との相姦。義母の胸に抱かれながら死んでいくカン。死こそ究極のエロティズムに据えているところが文学なのかもしれない。内容は一見すると生々しいが、それを一切感じさせないところはさすがだ。町田康が中学時代に読みふけっていた小説らしい。

2016/12/13

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