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レームダックの村

レームダックの村

レームダックの村

作家
神林長平
出版社
朝日新聞出版
発売日
2019-11-07
ISBN
9784022516442
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レームダックの村 / 感想・レビュー

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starbro

「まさに想像を絶する展開、いまだかつてない終末SFだ。」という帯に魅かれて読みました。神林 長平、初読です。最初の設定は面白いなと思っていましたが、本書自体が、レームダックのようでした。シリーズ第一作の『オーバーロードの街』から読まないといけないのかなぁ?まだシリーズは続きそうですが・・・

2019/12/23

藤月はな(灯れ松明の火)

『オーバーロードの街』の続編。地球の生存意思によってインターネットや貨幣価値という(実態は茫洋だが確固たる幻想の)権力を繋ぐ人間との紐帯が破壊され、文明社会が崩壊しつつある世界。長年、クニによる支配を拒絶し、裏金によってクニにとっての厄介者を匿ってきたムラも無関係ではいられなかった。言葉が立場を規定し、人を縛る。巫女の「逃げろ」という言葉を聞いても逃げないサトの姿に思考停止も膠着も言葉次第なのかも。名前だけの登場なのに有羽の存在感が凄い。それにしてもパソコンから想定外の花粉アレルギーに罹患するって嫌だな…

2019/12/02

MICK KICHI

前作で<地球の意思>の発現とその発端となる事件に遭遇した新聞記者、真嶋は、地方取材の任務中に拉致され、歴史の表には存在しないとある<ムラ>へと連行される。そこは、ヒミコと名のる巫女による呪術の支配下にある場所であり、犯罪者や逃亡者を対価を得て匿う、非日常の場所であった。サイバーリアリティを自然の反乱により明け渡した<クニ>とアニミズムが支配するムラとが、バランスを取りながら辛うじて共存して来た過去を超えて、主導権を巡る対立が作品のテーマ。<クニ>と<ムラ>、AIとアニミズムの対比を思考実験の場としている。

2020/05/26

rosetta

★★★✮☆知らずに読んだらどうやらシリーズ物。人類の敵〈地球の意思〉とやらにより、ネットと貨幣経済が壊滅、都会では操られたパワードスーツによる警察と軍隊の衝突で大勢の死者が出た。取材で地方に向かう途中強盗のカップルに拘束され山奥のムラに連れ込まれた記者の真嶋。カップルの女はこのムラで絶大な力を持つ巫女のヒミコ。このムラは大金と引き換えに犯罪者をクニから匿い続けてきたのだった。しかし世界が崩壊した今ムラもまた消えかかっている。ヒミコは崩壊の切っ掛けとなりネット空間に生きている有羽に呼びだし世界に呪をかける

2019/12/03

Hiroo Shimoda

都市と地方の関係や、法・暴力・情報のパワーバランスについて考えさせられる。全編通して話し合いや会議のような静的な場面が多く、良くも悪くもエンタメ度は低め。

2020/02/25

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