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十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
白洲正子
出版社
講談社
発売日
1992-08-04
ISBN
9784061961869
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十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

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佐々陽太朗(K.Tsubota)

湖北が好きである。しっとりとした落ち着きを感じさせる土地。寂しけれどけっして寒いのでも暗いのでもない、私は湖北にある種の豊かさを感じ、そこに少しでも長くいたい心持ちになる。私は白洲さんの語る湖北の情景に魅せられた一人である。美しい文章の流れ、感情を抑えた筆致がかえって白洲さんが近江の地に寄せる深い思いを感じさせる。私も渡岸寺の美しい十一面観音像に会いに湖北を旅しよう。もちろんこの本を携えて。

2017/06/30

レアル

大好きな奈良から出発した「十一面観音」を巡る旅のエッセイ。通読もしたことあるが、最近は奈良のお寺巡りをする際にその箇所を予習読みするのがこの本の読み方。ただ今回は「私の経験から言っても十一面観音は、必ず山に近い所、山岳宗教と関わりのあるお寺に祀ってある事が多い!ことに興味を覚えた」とこの本に書かれていた事を思い出して、読み返したくなったから。ただ読み返して分かった事は、この本は山岳宗教との関連ではなく「十一面観音」を描いた本。成果には達成しなかったが、こんな本を読むと十一面観音に無性に会いに行きたくなる。

2019/05/22

Pー

キライな歴史の勉強を随分とさせていただきました。奈良の聖林寺の十一面観音を始めに、泊瀬、木津川流域、室生、京都、若狭、信濃、近江、熊野と心の求めるままに訪ね歩き、山川の佇まいの中に祈りの歴史を感得し、記紀、万葉、説話、縁起の世界を通して古代と現代を結ぶ観音の存在に迫る白洲正子世界をチョッピリ覗かせてもらいました。白洲正子さんの世界は難解だ!それに改行がほとんど無くびっしりと字が詰まっているこの文庫本、1100円(税別)の価値は十分にあり!だな。。

2019/05/13

九鳥

ちょうど観音巡りの旅に出るところだったので旅の供にしたが、道中は全く開かなかった。読んでいると、現実に肉体を行使した寺院巡りと、白洲正子の自在に浮遊する空想とが入り交じり、この幻想的な巡礼に同行していた錯覚を起こす。旅も人生も道草ばかりと嘆くだけあって、文章も横道へ逸れてばかりだが、揺らがない筆致と鋭い見識が痛快でした。

2009/05/13

雨伽詩音

白洲正子の古典、仏像、お能、歴史と多岐にわたる知識が惜しげもなく披瀝され、濃縮された一冊で、記紀を学んでいた人間にとっても刺激的な本だった。とはいえ彼女はアカデミズムから距離を置いていたこともあり、疑問に思う箇所もないわけではなかったが、ロジカルな部分に留まらないエモーションこそが彼女の随筆の真骨頂であるとも思う。とはいえ彼女も記しているように、もはやいにしえの信仰と現代はあまりにも隔絶していて、信仰というものを感情や感性だけで捉えようとするのは危険なのではないか。もう少し地に足着いた本を読みたくなった。

2019/10/18

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