かくれ里 愛蔵版
かくれ里 愛蔵版 / 感想・レビュー
さつき
主に関西方面の「かくれ里」をめぐる旅。関東者の私にとっては、出てくる場所全てが憧れの地でした。平家の落人のように有名な伝承をはじめ、志貴皇子、惟喬親王、光厳天皇、自天王、北条氏直…さまざまな人々が隠れ住み、追いやられ、押し込められていた場所だと思うと悲しさも感じますが、挿入される写真を見ると、ただただ美しい。あとがきの日付は昭和46年であることを思うと、著者が描いたこの世界は、もはや紙の上にしかないのかもしれない、と感傷的な気分にもなります。
2020/08/31
紫羊
白洲正子さんが心動かされた「かくれ里」の数々。容易には行けないところが多いのですが、ひとつずつ訪ね歩きたいと思いました。旅心を誘う珠玉の紀行エッセイです。
2017/06/30
おとん707
「山里の美しい自然に、人知れず息づく伝承、悲哀の歴史、美の余香……。」と帯に書いてあるのに惹かれてかくれ里を訪ねる紀行エッセイのつもりで読んだが、確かにその通りではあるが、文章の大半は古代からの伝承と渡来した仏教との融合で発生した文化をかくれ里に発見した筆者の内なる感情の吐露であり、正直言って難しかった。奈良時代以前の人名が多く出てくるがその知識がなく、また漢字の読みすら覚束なく目が活字を追っただけになってしまった。半世紀も前の紀行文で今も当時のままか分からないが、勉強したうえで訪ねてみたい気はする。
2021/02/27
ニコン
インフルエンザ休暇中に手に取りました。旧版を一度読んでいますが、愛蔵版は読みやすく図版が組まれています。近江、大和、山城を中心とした、ひっそりとした魅力ある歴史遺産を訪ねています。きっと現在もこのような風景(かくれ里)なのだろうと思ってしまいます。好きな一冊です。
2013/02/01
yakinori
主に西日本の里山や古刹・名刹をめぐり、歴史ロマンに想いを巡らす随筆。正直なところ、日本史や伝統芸能、各地の伝承・伝説に詳しくないと置いてけぼりを食う内容ではあるが、訪れた土地の素晴らしさは充分に伝わり、旅への憧れを掻き立てられる。また、タイトルから想像がつく通り著者はつくられた観光地を嫌い、かくれ里のように世間から隔絶されたような場所とそこに生活する人々の息遣いを好んだ。物怖じせず歯に衣着せぬ物言いで自分の思いを語る潔さも気持ちがいい。かっこいい女性だったんだろうな。
2021/04/24
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511