絶筆
絶筆 / 感想・レビュー
いつでも母さん
かつて元気な姿をTVで観ていた。好きな事を云う方だなぁと。田中角栄に対抗して同じ選挙区から立候補して散る。四畳半襖の下張り』で裁判になり敗訴。『黒の舟唄』は好きな歌だ。作品は『火垂るの墓』しか知らない。脳梗塞で倒れてからのエッセイ。この方はシャイで繊細な方だ。そして、生きていること思考がすべてあの戦争に繋がっているのだなぁと感じた。妹さんを亡くした事。敗戦からの日本を語る方がまた一人鬼籍へ。あちらで妹さんと会えただろうか・・合掌
2017/01/19
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
病に倒れて以来、書き続けた「日記」。死の数時間前まで書いていたという。そのことを知って読み始めたので、読み終えてしまうのが怖いようなさびしい気持ちで少しずつ読んだ。自分の意志で自由にならない自分の体。毎日のリハビリ。奥様や飼い猫たちとの微笑ましい日々。新聞やニュースで知る、この国のことを憂う日々。自分のことを嘘吐きだと言う野坂さん。それでも、日本を思う心。後に残される若い人たちのことを思う心。戦争に対する気持ちには嘘は無かった。
2017/03/07
ophiuchi
「この国に、戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう。」野坂昭如が亡くなった日に残した最後の言葉。2003年に脳梗塞で倒れて以降に書かれた日記、エッセイが収められていて、初期のものに原発への懸念が語られるなど、予言になっていることも多い(最後の一文がそうならなければ良いのだが)。農業やエネルギー、安保政策などへの批判は、ほとんど自分とシンクロしている。合掌。
2016/03/10
勝浩1958
野坂氏の頭から離れなかったのは8月15日と6月5日、終戦の日と神戸大空襲の日。ここに氏の思想の原点があると思います。戦争と飢餓を最も恐れ、再び起こることがないよう死ぬ間際まで主張し続けていました。晩年は政治に対しては、期待していないように見受けられましたが、「世間が強いリーダーシップを求める時代はよくない。」「強力なリーダーを必要とする世の中は不幸だが、政治不信の世もまた不幸である。」と警句を発せられています。あの世からも我々の愚行を嘲笑って、鋭い批評を投げかけているものと想像いたします。合掌。
2016/03/15
よしひろ
表現者としての生き様が見える。毎日を克明に記録する。その観察眼や考え方には惹きつけるものがある。何かを創作する人間にとって、毎日が刺激に溢れ、学びの連続であるような毎日を送らないといけないと思った。日記で綴られており、生活が手に取るように分かる。
2016/03/10
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- 出版社
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- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511