馬鹿一 (角川文庫)
馬鹿一 (角川文庫) / 感想・レビュー
ホシ
武者小路実篤の名作短編集。話は変わって今、スピッツの「楓」を練習しています。ただ私が弾くと「杉」になって花粉が飛びまくって違う意味で人を泣かすのでスピッツに謝りたい。あと先日「みなと」を聞き直しました。あまりの名曲っぷりに目頭が熱くなった。どうせ上手くないけど「みなと」も弾いてみたい。私が弾くスピッツは無価値です。しかし、「感銘を受け、不朽とも言える名曲を私も自分の手で弾いてみたい」と思ったこと、このこと自体には紛れもない、偉大な価値があります。本作に通底する思想は、このようなものだと受け止めました。
2023/12/03
kana
本屋さんでタイトルが目に入るなり即買い。それほど馬鹿一のインパクトが大きかった。みんなにからかわれて馬鹿にされている彼だが、「自己に徹していない、独立した一個人になれないものは、まだ人間になっていないと思っている」と意外と辛辣な目線で他人を見ている。理想主義で溢れた小話ばかりだけれど、山谷五兵衛の嘘か本当か分からない話という体なので、おとぎ話を楽しむ感覚で読んでいました。
2023/09/30
フジッコ
人生論を読み実篤先生の作品が好きになり、次何読もうかと思った時に書店でふと目に入り、読んでみようと購入。何だか、読者を選ぶ作品だなぁと思いました。うわっ面だけ読み流していると、本質が掴めず面白くない。それこそ一途に一生懸命に考えて考え抜いて読む。そうすると、少しずつ実篤先生の言いたいことが分かってくる。まぁ、何回読んでも分からない部分もあるけど、そういう所はざっと読んで後でもう一度考える。考える読書が出来る、良い作品。所々に散りばめられた名言も見逃せません。
2023/08/26
夏草
角川さんから新装版が出たおかげで初めて武者小路作品を読んだ。文章が案外読みやすかった。「僕はおこっている、ほんとにおこっている、あとで電話をかけておこるが今はハガキで怒る。」というハガキを友人(志賀直哉)に送ったそうだが、本当にそういうハガキを送りそうな真っ直ぐな文章で、水彩画のように明るくて爽やかで前向きな印象が残った。語り手の友人で、ずっと話を聞かせてくれた、話好きの山谷五兵衛さん、最後の方は私も今度はどんな話をしてくれるのか楽しみになっていた。
2023/07/29
京橋ハナコ
のんきな人たちの話。真理先生を読んでいないからかな。感想を持ちにくかった。
2023/09/26
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511