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現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫)

現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫)

現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫)

作家
日本文藝家協会
野間宏
藤枝静男
吉行淳之介
吉村昭
増田みず子
坂上弘
島尾敏雄
大江健三郎
澁澤龍彦
出版社
講談社
発売日
2014-12-11
ISBN
9784062902533
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現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

この小説集で増田みず子さんの作品にはじめて触れる。『独身病』タイトルから想像できるように仕事と結婚問題と病気の間で揺れる女性の話。約40年前の作品だが、現在とどう女性の抱える生きづらさが変わっただろうと考えるとほとんど変わっていなくて、あきらめと絶望に似たものを感じてしまう。変化があるとすれば女性作家が増えて、書かれるものがもうちょっと性に対してオープンになったくらいか。女性側の意識が変わっても、肝心の社会と男性がなぁ……うーん。増田さんのほかの作品に興味がわきました。

2022/05/06

ぽち

わたしの気分がそう読ませたのかもなのだがエクスペリメンタルな悪文野間宏、期待を超えた最高no.1藤枝静男ですら露払いだった、圧倒的大江健三郎。りっしんべんのせいとしをえげつなくえがく、しかもこれ私小説かモダンを超克するのか、まあまあえげつなく読みづらいけど大江を読まずに死ななくて儲けた

2024/01/14

仮ッ子

大江健三郎「泳ぐ男」が強烈だった。露出狂の変態三十路強姦女が殺害される話。ショッキングさがこの小説群の中にあってあまりに異色。悪夢見そう。他の小説もそれぞれ良かったはずなのに、「泳ぐ男」にしてみてもなにか作家の伝えたいことはあるだろうに、表面的な部分でしか捉えられない。己の俗物的なとこ突きつけられた感。嫌な気分だけど、それが文学の仕事なのかもと思う。

2015/02/18

giant_nobita

今巻では藤枝静男の変な小説や、吉村昭のよくできたお話や、吉行淳之介の神経質な描写が印象に残った。大江健三郎の「泳ぐ男」は誰かの犠牲によって救われた人間の脆さという主題を、妄想的な探偵小説として仕立てていてユニークだった。水泳選手「玉利君」を誘惑していたアラサーOLが「僕」と同じ大学(東大)出の教師によって強姦され殺されるという事件を、語り手の「僕」は、玉利君を守るために教師が犠牲となったのだと解釈することで、玉利君に罪を負わせつつ、贖罪しようとする。奇妙である意味酷薄な「僕」の意識が読みどころだろう。

2016/04/19

押さない

大江の性描写は相変わらずエロくはないなあどこか後ろ暗くじめっとしてて何か悪いものを見ているぞ気分にさせられる。好きです

2021/05/30

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