現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫)
現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー
佐島楓
この小説集で増田みず子さんの作品にはじめて触れる。『独身病』タイトルから想像できるように仕事と結婚問題と病気の間で揺れる女性の話。約40年前の作品だが、現在とどう女性の抱える生きづらさが変わっただろうと考えるとほとんど変わっていなくて、あきらめと絶望に似たものを感じてしまう。変化があるとすれば女性作家が増えて、書かれるものがもうちょっと性に対してオープンになったくらいか。女性側の意識が変わっても、肝心の社会と男性がなぁ……うーん。増田さんのほかの作品に興味がわきました。
2022/05/06
ぽち
わたしの気分がそう読ませたのかもなのだがエクスペリメンタルな悪文野間宏、期待を超えた最高no.1藤枝静男ですら露払いだった、圧倒的大江健三郎。りっしんべんのせいとしをえげつなくえがく、しかもこれ私小説かモダンを超克するのか、まあまあえげつなく読みづらいけど大江を読まずに死ななくて儲けた
2024/01/14
仮ッ子
大江健三郎「泳ぐ男」が強烈だった。露出狂の変態三十路強姦女が殺害される話。ショッキングさがこの小説群の中にあってあまりに異色。悪夢見そう。他の小説もそれぞれ良かったはずなのに、「泳ぐ男」にしてみてもなにか作家の伝えたいことはあるだろうに、表面的な部分でしか捉えられない。己の俗物的なとこ突きつけられた感。嫌な気分だけど、それが文学の仕事なのかもと思う。
2015/02/18
giant_nobita
今巻では藤枝静男の変な小説や、吉村昭のよくできたお話や、吉行淳之介の神経質な描写が印象に残った。大江健三郎の「泳ぐ男」は誰かの犠牲によって救われた人間の脆さという主題を、妄想的な探偵小説として仕立てていてユニークだった。水泳選手「玉利君」を誘惑していたアラサーOLが「僕」と同じ大学(東大)出の教師によって強姦され殺されるという事件を、語り手の「僕」は、玉利君を守るために教師が犠牲となったのだと解釈することで、玉利君に罪を負わせつつ、贖罪しようとする。奇妙である意味酷薄な「僕」の意識が読みどころだろう。
2016/04/19
押さない
大江の性描写は相変わらずエロくはないなあどこか後ろ暗くじめっとしてて何か悪いものを見ているぞ気分にさせられる。好きです
2021/05/30
感想・レビューをもっと見る
「野間宏」の関連作品
〆切本2
- 作家
- 森鷗外
- 二葉亭四迷
- 武者小路実篤
- 北原白秋
- 石川啄木
- 芥川龍之介
- 横溝正史
- 小林多喜二
- 丸山眞男
- 水木しげる
- 山崎豊子
- 田辺聖子
- 赤塚不二夫
- 高橋留美子
- 穂村弘
- 福沢諭吉
- 源氏鶏太
- 山本有三
- ドストエフスキー
- 夢野久作
- 石川淳
- 山本周五郎
- 太宰治
- 松本清張
- 梅棹忠夫
- 安岡章太郎
- 井上ひさし
- 宮尾登美子
- 向田邦子
- 川上弘美
- リリー・フランキー
- 川上未映子
- 町田康
- 萩原朔太郎
- 滝井孝作
- 深沢七郎
- 五味康祐
- 小川国夫
- 吉村昭
- 校條剛
- 團伊玖磨
- 河野多惠子
- 五木寛之
- 片岡義男
- 堀辰雄
- 椎名誠
- 平出隆
- 村山由佳
- さくらももこ
- 神近 市子
- 岡本かの子
- 今井 邦子
- 宇野千代
- 中條百合子
- 美川 きよ
- 平林たい子
- 子母澤 寛
- 川端康成
- バルザック
- 辻 佐保子
- 辻邦生
- 田中小実昌
- 澁澤龍子
- 澁澤龍彥
- 赤川次郎
- 中島らも
- 三浦しをん
- 野間宏
- 木下杢太郎
- 笹沢左保
- 筒井康隆
- 江口寿史
- 松尾豊
- 冲方丁
- 井上靖
- 室生 朝子
- 室生犀星
- 大庭 みな子
- 伊集院静
- ハルノ宵子
- タモリ
- 野坂昭如
- 堀道広
- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2017-10-07
- ISBN
- 9784865281774