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逆回りのお散歩

逆回りのお散歩

逆回りのお散歩

作家
三崎亜記
出版社
集英社
発売日
2012-11-26
ISBN
9784087714814
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逆回りのお散歩 / 感想・レビュー

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ちはや@灯れ松明の火

生まれ育った町をそぞろ歩く。時の流れに削り落された町並みを繕うように躍る市町村合併の文字、変わらぬものなどありもせず、仲良きことは美しきかな。けれど、気付かない。その耳が捉える声にも、その目に映る現実にも。「どうして?」という疑問符を奪われていることさえも。テレビは語る、新聞は訴える、彼らが造り上げた真実を。ビラ、不買活動、電突、ゲリラお散歩、ネットの中から飛び出した見えない銃弾が飛び交う顔のない戦争、信じさせた者勝ちの情報戦略。見渡せば、馴染んだ町の面影は薄れ、ただ何処へと向かうか知れぬ道が続くだけ。

2013/03/14

kishikan

勝手な想像だけど、この本に収録の「逆回り・・・」と「戦争研修」は、となりまち戦争のエピソードⅠ・Ⅱのような感じもするね。三崎さんがどう捉えているかは分からないけど、廃藩置県以降の権力による自治域の統廃合(最近は平成の大合併)は、住民の思いとかけ離れた行政効率論先行の統合だったんじゃないか、そんな気もする。もちろん三崎さんは、そんなイデオロギー論を展開しようとは思っていないだろうけど、意図をもってすれば、大衆の言動は誘導できるだから気をつけろ!ってことを言いたいんだろうな。たまには逆に向かって歩こうよ!

2013/02/20

くりきんとん99

三崎さんらしい作品。読みやすかったけど、読後はすっきりせず。内容のせいだと思うけど。表題作は、実際に起こりそうな感じでジワジワと恐怖を感じた。「戦争研修」は、あいにく「となりまち戦争」が未読だったから、よくわかんなかったけど、それでも自治体の戦争へ向かう姿に恐怖を感じさせられた。やっぱり「となりまち戦争」も読まなくちゃダメだよね。

2013/01/02

nyanco

はぁ…三崎ワールドに首までどっぷり浸かりました。ありえないはずなのに、ふと隣をみると自分のすぐそばに、当たり前のようにそこにあるようで、ぞっとする感じ。三崎さんの真骨頂です。久しぶりにA市を訪れた聡美、和人と再会し、学生時代を懐かしむ。しかし、和人からC町との合併陰謀説を聞かされ…今回の戦争の舞台はネットから始まりました。 和人、C町役場職員、「彼」の中から聡美は誰を選ぶのか、それとも…三崎さんの作品、本当に全く何処にも無駄がない。続→

2012/12/31

ケンケン

三崎亜記、恐るべし!!表題作『逆回りのお散歩』は、現代のネット社会への警鐘と見えざる情報への過信が淡々とした中にも薄ら恐ろしく描かれております、真実と何か?と気持ちが揺らぎます…汗 『戦争研修』は、デビュー作『となり町戦争』へと繋がる“見えない戦争”の思惑・感情との葛藤を一公務員の目線で描いており、原点回帰を味あわせてくれるファンには嬉しい作品でした。 この世界観はやっぱいいなぁ♪

2013/02/09

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