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鼓笛隊の襲来

鼓笛隊の襲来

鼓笛隊の襲来

作家
三崎亜記
出版社
光文社
発売日
2008-03-20
ISBN
9784334926014
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鼓笛隊の襲来 / 感想・レビュー

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kishikan

三崎亜紀の久しぶりの新刊。今回は短編集。短編ながらこれまでの三崎らしいちょっと不思議なエンタテイメント・SF小説とはちょっと違う、文学色の強い作品が並ぶ。本のタイトルにもなっている「鼓笛隊の襲来」はこれまでの三崎の作品らしい話ではあるが、その他は純文学的エッセンスにあふれている。中でも「欠陥住宅」や「校庭」にはすばらしいというか、いつまでも心に響く訴えがある。

2008/03/31

しろいるか

『世にも奇妙な物語』みたいな9編の短編集。三崎さんの不思議な世界観は楽しめつつも、さくさく読みやすい作品が多いので三崎ワールド入門編としてもオススメ。珍しく?恋愛ものが多い印象。『遠距離・恋愛』みたいな甘いのも書くんですね。ちょっと切ない『象さんすべり台のある街』や実社会でもあり得そうで背筋がぞわっとする『校庭』が特に良かった。

2010/08/16

目には見えない、誰かの心に存在するであろう空間たち。私の目には見えないだけで、三崎さんにはきっと空間が見えているのだろう。そう思えてなりません。今生きる世界が、誕生、喪失を繰り返し、自分が知らないところで色とりどりに漂おうとは。想像は無限大。星を見てなにを思う?雲を見て何を思う?正解も不正解もないが、1つのものを見て1つの感想しか言えない、つまらない人間にはなりたくない。短い短編集でしたが、短い中でも不思議な時間を過ごしました。

2011/06/18

ちはや@灯れ松明の火

変わり映えしないはずの日々を写す手がほんの少しトレーシングペーパーに触れてしまい、微かなブレは歪みとなって世界に消失点を作りだす。深く立ち込めるのは喪失感。素顔を隠す覆面は存在意義すら曖昧にし、過去の記憶もささやかな痕跡だけを残し跡形なく消え去る。天空都市で清らかに微笑む少女と闇の亀裂から禍々しく笑う少女はコインの裏表。遠く聞こえる風の音は海から押し寄せる鼓笛隊。消失点で立ちすくむ人々が見上げる星空だけがかろうじて彼らを繋いでいる。

2009/07/25

nyanco

生きてる本物の象がすべり台として置かれるばかりか人間と会話もできる「象さんすべり台のある街」など、三崎さんの物語の世界は、いつもありえない設定。それなのに、引き込まれていく不思議な魅力。

2008/04/30

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