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玉磨き

玉磨き

玉磨き

作家
三崎亜記
出版社
幻冬舎
発売日
2013-02-27
ISBN
9784344023390
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玉磨き / 感想・レビュー

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相田うえお

★★☆☆☆18027 小説のピカソみたいな感じで抽象画の様な雰囲気。いつもの浮世離れ的なネタのオンパレード! ①玉磨きというタイトルから、まさかの下ネタか?とも思ったが違った。(当たり前だ)②山手線って環状だし次々と電車が来るんだから思い切って線路上を車両で満たしドーナツ風に繋げてしまったらどうか?③ゆとり世代の人達は本当に円周率3?④もしインフルエンザウイルスが蝉位の大きさだったら分かりやすいのだが。。⑤汚い部屋はお部屋ではなく汚部屋というのか。。⑥島は海に浮かんでいると思っていた小さな頃が懐かしい〜。

2018/04/04

kishikan

ほう、これまで多くのまち(町、街)ものを書き続けてきた三崎さんが、今回は職業もの(もちろん存在しない仕事)、と思いつつ読み進めると、そこはやはり三崎さん。消えゆく仕事、それも失われるために存在する仕事の物語でした。6つの物語それぞれ風変わりな仕事をルポライターである「私」の取材という形で描かれ、中には三崎さんの既刊本とのリンクもあり、こうした発見も面白い。今回は自治的な見方より社会的な観点が色濃く、時の流れを経た人の記憶、特に価値観に対するアンチテーゼですね。参考文献まで読み終えたらはじめにをもう一度!

2013/04/11

ちはや@灯れ松明の火

やがて消えゆくものならば留め置くことに意味などあろうか。磨いて身欠いて、いつか無からしめる為に連綿と受け継がれる伝統工芸。見えぬ存在を追い、死の覚悟をも背負う捕獲技術。生み出すことの意義を問う。その年に生を受け、その姓を有したが故の毀誉褒貶。接点を分かち合いつつ交流を忌避する分担作業。取り戻せぬものほど眩く映る。時は進むものではなく回り続けるものと語る環状鉄道。奪い去られた場所を悼み、風化に抗う組合活動。いつの日か失われる存在でも最初から無かったことにはならない。消失と忘却を重ねて世界は構築されていく。

2013/05/15

くりきんとん99

これは一応、連作短編になるのか?ルポライターの書いたルポルタージュという形をとっているこの作品は、すごく三崎さんらしい。ちょっと不思議な、でもちょっと恐怖も感じるパラレルワールド。実際は存在しないモノばかりなのにいろいろ考えさせられてしまう文章はさすが。

2013/03/26

じゅん兄

日常的にどこにでもある風景なのに非現実的な世界が広がっている。例えば表題作の「玉磨き」、伝統工芸を受継ぎ守っている職人のルポルタージュだが、石の玉をただひたすら磨いているだけで理由は不明、生産性もない。だがそこには消え逝くもの滅び去るものを慈しむ優しさが溢れている。三崎亜記のこの心地よい違和感に嵌まるとおいそれとは抜けられない。物語として徹底しているのは、6編のルポを書いたルポライターのあとがきや参考文献まで掲載されていること。ありもしない参考文献まで読みたくなってしまう。

2013/04/13

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