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ゲンロン11

ゲンロン11

ゲンロン11

作家
東浩紀
プラープダー・ユン
福冨渉
安彦良和
武富健治
大井昌和
さやわか
山本直樹
速水健朗
伊藤剛
石田英敬
安藤礼二
中島隆博
巻上公一
小川哲
本田晃子
ユク・ホイ
伊勢康平
イ・アレックス・テックァン
鍵谷 怜
柳美里
大山顕
琴柱遥
大森望
海猫沢めろん
辻田真佐憲
松山 洋平
上田洋子
出版社
株式会社ゲンロン
発売日
2020-09-23
ISBN
9784907188382
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ゲンロン11 / 感想・レビュー

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ころこ

正直関心の無いテーマもあり全てを読み込むことは困難で、本号から読むのはいささかハードルが高く感じられるはずですが、そのハードルを冒頭の東の文章は下げています。チェルノブイリへの取り組みなど今までのコンテクストを丹念に説明することでこの論考が読み易くなっているだけでなく、本号に対して第1期にあった巻頭言と同様の効果を与えています。・意志と主体に新たな地平を拓かせた國分の中動態は、原子力の問題ではハイデガーの放下=中動態という大きな問題になることによって中動態としては語れなくなる。故にアーレントは受動的に、ア

2020/09/22

nbhd

「悪の愚かさについて2」を読んだ。加害者の中動態がテーマだった。國分さんの「中動態の世界」を読んでいる最中、ぼくの脳裏にしじゅう前総理の顔がチラついていた(アベさんを加害者とするかどうかは個人の価値にまかせる)。アベさんも、こうやって感想を会社のデスクで打ち込んでいるぼく自身も、あまり遠くない。なかば意志をもって、なかば「あたかも自然にそうであるように」、ぼんやりとした愚かな悪事をしている。生のなかで加害と被害が折り重なった「時間の重層性に敏感であること。それこそが愚かさの記憶の条件」と書いてあった。

2020/10/14

おっとー

(巻頭論文)冒頭はチェルノブイリと固有名に関する考察。現在、チェルノブイリは「原発事故の危険な地」のイメージが完全に定着し、原発事故以前の歴史や、事故後の観光地としての側面は全く知られていない。そもそもウクライナの地であるこの場所をロシア語の「チェルノブイリ」で呼ぶこと自体にもある種の政治性がつきまとう。これを断ち切るには加害/被害の図式で事故を語るのではなく、中動態的な悪=悪の愚かさに目を向けなければならない。悪は能動的でも凡庸でもなく中動態的なのであり、大量生と大量死はなんとなくでしか生じえない。

2020/12/06

マープル

巻頭の論文、東浩紀「悪の愚かさについて2、あるいは原発事故と中動態の記憶」を読了。國分功一郎の中動態の議論を導入し、加害者/被害者の二項対立を解体しようとする。前編1の議論より、哲学的な議論に踏み込んでいる。中動態の議論を導入しているとは言っても、原子力を否定する國分の立論には厳しく批判的。10/27に開催されるゲンロンイベントでの激突が楽しみ。

2020/10/18

ルンブマ

「悪の愚かさ=加害の中動態的な性格をいかに記憶するか」という問題に関して、なんで現象学的精神病理学の方法論の話が出てこないのだろうかと、疑問に思ってしまった。そこからスタートした方が、パッとその記憶法論のを思いつきそうだが。

2021/03/18

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