もうすぐ絶滅するという煙草について
「もうすぐ絶滅するという煙草について」のおすすめレビュー
禁煙化が進む今の時代にこそ読みたい、文豪たちの喫煙礼賛
『もうすぐ絶滅するという煙草について』(キノブックス編集部:編/キノブックス)
紙巻の煙の垂るる夜長かな ——芥川龍之介
煙草のある人生は素敵だ。何せ文学との相性が抜群なのだ。小説と煙草、場合によっては、それに酒とセックスなどが加わる。これらは最高のマリアージュとして、我々のDNAの最深部に刻み付けられていると筆者は思っている。健康志向の科学者や医者達が何と言おうと、だ。
喫煙者というだけで、まるで害悪そのものであるかのような風当たりの昨今。非常に肩身が狭い。周りに配慮するのは当然だが、それは何を好むにしても同じこと。愛煙家は好きなものを好きだと言うことすら許されないのだろうか。我々喫煙者は、いつの間にか煙草を好むということに対しても引け目を感じるまでになってはいないだろうか。
好きなものには自信を持ちたい。もっと、その良さを実感したい。そんな、煙草とそれを包む文化的な空気を愛したい人々に、強く薦めたい1冊の書籍がある。『もうすぐ絶滅するという煙草について』(キノブックス編集部:編/キノブックス)というアンソロジーだ。
本書の詳細に触れる前に、こ…
2018/4/23
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年々強まる嫌煙社会へ一石を投じる!?『もうすぐ絶滅するという煙草について』
『もうすぐ絶滅するという煙草について』(キノブックス)
作家と煙草にまつわる異色のアンソロジー『もうすぐ絶滅するという煙草について』が、2018年1月31日(水)に発売された。
ベストセラー作家だとしても、昨今の愛煙家は肩身が狭い。もはや絶滅寸前の“たばこ飲み”たちが、「たばこへの愛」や「喫煙者差別への怒り」「禁煙の試み」などを綴ったユーモアとペーソス溢れる42作品を収録した同書。芥川龍之介から筒井康隆、倉本聰、内田樹、いしいひさいちまで、作家と煙草による異色のアンソロジーになっている。
「僕は体の健康よりも魂の健康や」(開高健)、「美味かった。大麻なんかの比ではない」(中島らも)、「私は幼稚園に上がる前から煙草を吸つてゐる」(内田百閒)など、愛煙家なら思わず笑みがこぼれてしまう文章が満載。年々強まる嫌煙社会へ一石を投じるかのような名文を読めば、煙草に対する印象が変わるかもしれない。
<収録作家> 芥川龍之介、開高健、中島らも、内田樹、松浦寿輝、古井由吉、夏目漱石、久世光彦、浅田次郎、荒川洋治、原田宗典、米原万里、吉田健一、佐藤春夫、丸山薫、杉本秀…
2018/2/2
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もうすぐ絶滅するという煙草について / 感想・レビュー
kinkin
42名の作家によるタバコについてのエッセイ集。たばこ・・止めてから今年で16年目になる。ひどい肺炎で入院して禁煙が始まっていまも続いている次第。長らくたばこを吸っていた者はたばこを止めても禁煙中といったほうがいいのかも。毎日セブンスターを2箱吸っていた。でもいまだにタバコを吸う夢はたまに見る。たばこの味もする。だからこの本に書かれていることはよくわかるんだ。今は喫煙派、禁煙派どちらでもない。吸いたい人はどこかで思い切り吸ってもらいたいな。
2018/06/21
らぱん
少し前に、ジブリアニメ「風立ちぬ」で夫婦のお互いの愛情が示されるシーンで煙草がでてくることの批判があった。なんだよそれ。42編のエッセイは、時代もまちまちな上に玉石混交だが、非喫煙者である池田晶子が権利主張の違和感から「健康に生きるために健康に生きる、その健康な人生は何のためのものですか」との問いが印象に残った。筒井康隆は喫煙者差別を許すなとアジって、非喫煙者の文章はダメだとの暴論に笑った。谷川俊太郎は「非衛生的な人類というやつがいとしい」と言い、内田百閒は70年の煙歴から上手の作法を披露する。↓
2019/08/14
oldman獺祭魚翁
愛煙家の愛煙家による愛煙家のためのエッセイ集。古今の文士・物書きの喫煙に関するエッセイが集められている。絶滅危惧種としてのパイプ党としては見逃せず、図書館の新刊書棚で見つけて即借りてしまった。喫煙者にとって世間はどんどん住み辛くなってきている。恵まれない愛煙家に愛の手を(-.-)y-゜゜゜
2018/04/05
おかむら
タバコにかんするエッセイのアンソロジー。 いまや立派なマイノリティー、ますます加速度的に肩身の狭くなってる喫煙者なので読んでみました。筒井康隆や倉本聰のエッセイに密かに溜飲を下げた! タバコさー、もうこれから二十歳になる人は吸えないように法律で禁止すれば約100年後には誰も吸わなくなってるから皆んな健康になるんでないのか? なぜそうしないのか国…。そして値上げすんだったら屋外の喫煙所には屋根くらいつけてくれまいか。雨の日はツライので。
2018/02/26
くさてる
煙草、喫煙に関するアンソロジー。これって煙草を嫌悪する立場からの文章も入れたら面白かったんじゃないでしょうか。私は喫煙者ではないけれど、家族友人は喫煙者が多いし、一緒にいるときに吸われても何とも思わない人間です。しかしこのアンソロジーは(昔の文人の余裕ある文章はともかくとして)追いつめられた喫煙者からのなかばヤケのような言葉が同じように繰り返されていて、ちょっと玉石混合気味でした。傑作なのは筒井康隆。煙草の持つ効用が自然な形で伝わってくるのは中井久夫。美味しそうに煙草を服むなあと思ったのは内田百閒でした。
2018/05/29
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- 出版社
- 光村図書出版
- 発売日
- 2022-08-05
- ISBN
- 9784813804147
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- 出版社
- ラボ教育センター
- 発売日
- 2024-05-01
- ISBN
- 9784898111437